日記
#82 Integration 006 Double Yeast Ale「二種の酵母(アメリカンとベルジャン)を同時に使用。セゾンっぽい仕上がりを狙いました」
【10/2(金) 新作リリース!!】
Batch #82 – Integration 006
「Double Yeast Ale」
-----Style : Belgian Pale Ale
-----ABV : 5.5%
-----IBU 40
異種のビアスタイルや酒の要素を統合する醸造シリーズ「Integration」。新作では特徴の異なる2種の酵母を同時に使用しました。一つはウェストコーストエール酵母(Lallemand社BRY-97)。ビールをドライに仕上げ、ホップフレーバーを際立たせる酵母です。もう一つはベルジャンアビー酵母(同社Abbaye)。フルーティでスパイシーな香気をもたらす酵母です。
酵母のブレンドによって、それぞれの酵母の特徴が合わさった複雑な風味が生成されたり、一方の短所が補われたりします。今回のブレンドでは、BRY-97によるホップの香気成分変質(バイオトランスフォーメーション)で得られる南国フルーツのような香りと、Abbaye酵母によるバナナやクローブのような香り(エステルとフェノール)の両方を引き出しました。また、ベルジャン酵母のようなフェノール生成酵母は概して凝集性が良くなく、ビールに濁りを生むことがあります。ウェストコーストエール酵母を併用することで、フェノールを特徴としながらもクリアな外観のビールをデザインしました。
ホップにはドイツ品種のハラタウブランを使用。現代的なホップらしい、白ブドウのようなフルーティな香りと、伝統的なホップのスパイシーな香りを併せ持つホップです。これを熱麦汁に加えることで、香りだけでなく苦味もしっかり引き出しました。その他、液色はゴールデンカラー。アルコール度数は飲みやすい5パーセント台。水質は硬水。
実のところ、イメージしたビアスタイルはセゾンです。とはいえ、セゾンにはさまざまな味わいがあるし、味わいだけではなくアティチュードも大事だと思っているので、ビアスタイルは控えめに「Belgian Pale Ale」としておきました。
マニアックな話ですが、このビールの発酵が終わった後に回収した酵母で造ったビールが今後リリース予定です。これがちょっと意外な特徴がありそうで、樽詰めが楽しみです。